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いざアメリカへ

  私は教師になるつもりなんてさらさらなかった。そんな私が教師になろうと決意したのは大学4年生の春。アメリカの地であった。それでは私の教師生活の原点であり、教師になろうと決めた因縁めいたいきさつをアメリカ遊学(留学ということばはおこがましすぎる)を通して紹介させていただくことにする。

  二十一歳の春三月、アメリカのシアトル空港に降り立った。三月といっても日本の春と違い、革ジャンを着込んでいるにもかかわらず、厳しい寒さに身震いした。「いよいよアメリカに来たんだな」初めての異国の地にたち、不安と期待で一杯だった。別に英語に磨きをかけたいとか、アメリカの文化に特別な思い入れがあったというわけではなかった。 

   当時私は大学の3回生で、四月からは就職活動に本腰を入れる四回生に進級間近なこの時期に、わざわざ一年間大学を休学し、半年のアメリカ留学を決行したのだった。留学の理由は一言で言えば「自分探し」の旅

  三回生ともなれば、大学の仲間たちはことある毎に、卒業後に就きたい仕事のことや具体的な就職活動について真剣に語り合っていた。しかし私自身は、仲間の話に耳を傾けながらも自分の就職活動先を決めている仲間が何故か不思議に思えた。

    「どうして決めきれるのだろう。」

   自分自身に問いかけても、具体的な答えが浮かんでこない。 「自分とは一体どんな人間なんだろう。そんな自分が生き生きとできる仕事とは何だろう。仕事をすることでどんな生き方を目指したいんだろう。」と、明確な自分の考えを持つことができずにいた。ただ、      

  妥協して就職はしたくなかった。自分の人生を見つめ、自分自身を問い直し、納得した上で就職先を決めたかった。そのために今までのいろいろなしがらみにとらわれずに裸の自分をさらけ出せる場所に行きたい。日本ではだめだ。甘えが出てしまう。妥協してしまう。日本を脱出し、自分のことを誰も知らない、たった一人きりになれる場所が必要だと考えた。それがアメリカだった。しかし、アメリカでなければならない理由は全くなかった。アメリカンドリームという言葉に心引かれていたことも確かにあるがどこでもよかったと言うべきなのかもしれない。一人になれればいい。

  両親の承諾を受けるべく、いつ留学の話を切り出そうかと常に機会をうかがっていたが、絶好のチャンスが到来した。ある晩、何故か家族全員が晩酌をしてテンションが異常に盛り上がった夕食時に「今しかない!」とねらいをつけて留学とそれに伴う休学の話をいきなり切り出した。たぶん親父は反対するだろうと思っていた自分の心配をよそに一言「行ってこい」と言ってくれた。奇跡が起きた。その後友人たちにも、留学のことを告げたが、英語に磨きをかけたいと言う理由だけを挙げ、アメリカに渡る本当の意味については一切話さなかった。

  アメリカ行きが決まった年末以後、英会話の学習もそれなりに頑張ったが、何分出国や滞在準備に多くの時間を費やしてしまい、学習不足は否めなかった。しかしどうにかなるだろうという楽観的な考えと、与えられた幸運な時間を精一杯過ごそうという期待の気持ちで日本を後にした。
   シアトルからバスに乗り、いったんサンフランシスコに宿泊し、その後カリフォルニア州立大学サンタクルーズ校に向かった。この大学を決めた理由として、この大学は外国人留学生のための特別な英語講座を運営していること、大学の寮で実際に本校大学生と同室になって大学生活をエンジョイできるということ、カリフォルニア州という明るい響きと、「サンタクルーズという町は非常に治安がよく安心して生活できますよ」という旅行代理店の勧めもその理由の一つであった。アメリカに行くと決めたものの、いきなり犯罪に巻き込まれるのも何だろう、未知なるアメリカでの生活を始めるに当たっては、この町と大学がまずは無難かなという程度の非常に安易な考えで決めた大学だった。アメリカ行きを決めるときの大志とのギャップは感じつつも・・・
  01テレビの番組などで紹介されていた人種のるつぼと化しているアメリカは、さまざまな凶悪犯罪が横行し、治安が悪いことは覚悟していた。少々覚悟はしていたもののサンタクルーズはそれとは全く無縁の地であった。住んでいるのは白人ばかり、豪華な住宅が建ち並び、町並にはゴミ一つ落ちていない。町を歩いても、行き交う人が日本人かアメリカ人かの違いだけで、ここは日本なのかと錯覚さえ覚えてしまう。ダウンタウンを除けば、夜の9時にもなれば町は夜の闇に静まりかえってしまう。犯罪国アメリカにほど遠いど田舎町だった。白い雲がなびく青空がまぶしく、雨はほとんど降らない乾燥した天気が続き、変化に富む日本の気候とのギャップを感じた。(続く)

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